8月23日(日)、東区地域福祉センター ボランティア研修室にて、一般社団法人クローバーの会主催のミニ学習会を開催いたしました。
今回のテーマは「がまんする力をどう育てる」。
講師の村主裕子先生をお迎えし、子どもの発達の道筋や「我慢(がまん)」の本質、そして年齢や発達段階に応じた具体的なアプローチについて、たっぷりとお話しいただきました。
当日は保護者の方をはじめ、支援者の方など多様な立場の方々にご参加いただき、温かい雰囲気の中で学びと交流を深める時間となりました。
学習会では、単に「忍耐力」を育てるのではなく、その土台となる5つの力と発達の道筋(発達段階)を理解することの大切さが語られました。



1. がまんするのに必要な「5つの力」
「我慢する」という行動の背景には、実は以下のような複雑で豊かな認知・心の発達があります。
- 場面(状況)把握力(認識力)
- 見通す力(予測)
- イメージ力
- ルール(社会通念)の理解力と自分の価値観の確立
- 感情・行動のコントロール力(待つ力)
これら1〜4を元にした判断力と、5のコントロール力が合わさることで、子どもは自律的に行動を調整できるようになります。
2. 発達の道筋と「質的転換期」
子どもの発達には階段状の節目(質的転換期:7か月、1.5歳、9歳など)があり、急に新しい能力を獲得して飛躍する時期があります。 特に4歳後半から6歳過ぎにかけては、内面的思考やメタ認知の芽生えとともに「我慢する力」が育つ上で非常に重要な時期であることが示されました。
また、本人の自覚や意思決定がないと本当の変化や力は育たないこと、そして周囲の大人は「無理にやらせる」のではなく、併走しながら一番の理解者として支える姿勢が大切であることが伝えられました。
3. 年齢に応じた具体的な関わり
- 乳児期: 公共の場や待つ間は興味のあるものを用意する。快・不快の感覚を大切にし、大好きな人との情緒的なやりとり(身体接触遊びや表情・仕草での伝え合い)を重ねる。
- 幼児期: 絵本やおもちゃを活用して見通しを伝える。時系列や感情を視覚化し、「一番多い・少ない」「後〇日」などの中間的な認識や時間の概念を深める。
- 思春期〜成人期: 本人の考えや思いをまずしっかり聴く。生活の自立に必要なスキルの習得や人生設計を支えつつ、機が熟すのを待ったり、失敗談を共有しながら「いつでも手伝えるよ」というスタンスで寄り添う。
参加者の皆さまからの感想・お声
参加者アンケートより、いただいたご感想を一部ご紹介いたします。
- 「がまん」の概念と発達段階についての深い学び
「階段式の図は初めて見たもので新鮮でした。本人が自分で自覚しないと変化が難しいというところが印象に残りました。何を持って『がまん』というのか、そしてそれに必要な力について詳しく教えていただき、先生の捉え方に大きく共感できました。」
「発達の段階を知ることはとても勉強になりました。」
- 支援する側(親・支援者)の心構えについて
「支援する側(親)に心の余裕がないと、冷静に対応することが難しいというお話が印象に残りました。親自身が余裕を持つことや、必要なときに周囲に頼ることも大切だと感じました。」
- グループトーク・多様な参加者との交流
「やはりグループトークの場があるとお互いの意見や悩みを深くまで知ることができ、問題解決のヒントや自身の勉強になることを沢山知ることができ、楽しく学ぶことが出来ました。」
「様々な立場の方々のお話を聞けたのが貴重な体験でした。発達障害の特性をもつ子どもへの支援や、悩み・取り組みについてのワークも深まりました。」
おわりに
学習会の最後には、「人生は山あり谷あり。支援者や親自身が人生を楽しみながら、見通しを持って冷静に、そして忍耐強く向き合っていきましょう」という心強いメッセージがありました。
「大きくなった子どもへの具体的なアプローチ」や「青年期を迎えた方への今からできる関わり」など、ご参加いただいた皆さまからさらに深めたいテーマも多く寄せられました。クローバーの会では、今後も皆さまの「学びたい」「共有したい」という想いに応える学習会・交流の場を企画してまいります。
なお、今回の学習会は、大和証券財団のボランティア活動助成事業として今年度実施しております。
ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました!
