第8期キャリア研修会の最終回は、延期になっていた第3回石附智奈美先生の講座です。
「発達障がいのある子の身体理解と支援の在り方~作業療法士の視点から~」はZoomで開催されました。
- 自分の身体に注意を向けることは難しい
- 身体図式の獲得
- 感覚統合療法の理論の話
- 評価方法のいろいろ
- 支援方法
「自分の足を見ないでください。今どちらの足が前に出ていますか?」講座の中で石附先生からの問いかけです。私たちは当然のようにわかります。右足が少し前になって…と頭にイメージを受かべるまでもなく答えることができます。しかし、これがとても困難な方がいます。
私たちの感覚には、視覚・聴覚・触覚・前庭覚・固有受容覚があり、その中で姿勢やバランス、筋肉の動きなどを無意識に統制しているのが前庭覚と固有受容覚です。この感覚が視覚や聴覚とともにスムーズな情報交換ができることで、私たちは一つ一つの身体の細部の筋肉や関節を動かそうと考えることなく動かし、見なくても自分の足がどこにあるのかが分かります。
でも、「自分の身体に注意を向ける」ことが難しかったり、スムーズにできない子どもたちがいるということを、知っておかないといけません。そうしたエピソードとして、「自閉っ子こういう風にできてます」著者ニキリンコさんと藤家寛子さんのエピソード「スカートって怖くてはけない。スカートって脚がなくなるから。」を紹介され、その脳内の情報伝達について解説して下さいました。「傘を差したらどこまで自分の手かわからなくなる」など、発達障がいをもつ子の中にはこんな不安を感じてつらい思いをしているこがいたのかと驚きました。
私たち支援者は、そんな子どもたちの困難さを観察し、何が起因しているのかをよく見極め、本当に必要な支援を創意工夫していきたいと考えました。
午後からのお話では、支援方法のあれこれをたくさん紹介して下さいました。石附先生はコグトレ日本COG―TR学会副代表も努めておられます。紹介して下さった支援方法はどれも楽しそうで「遊び」をとても大事にされています。こどもたちが興味を持ち、楽しんでもっとやりたい!と繰り返しチャレンジし、しかも本人の困難さをトレーニングする支援となっているなんて、本当にすごい!子どもたちの心を守り育てる、そんな支援者になりたい、これからも学び続けたい、そう感じた研修会でした。
第8期のキャリア研修会は今回で終了です。
4回の研修会で、たくさんの方とお会いすることができました。
すでに第9期のキャリア研修会の日程も決まっております。
テーマは「子どもの発達徹底解説」です。
今後ともよろしくお願いいたします。